コロナウイルスのパンデミック宣言で、ニューヨークや東京の株式市場は暴落し、一時は取引が停止されるほどの混乱を引き起こしました。
株式の上がり下がりを表すときに、 Bull Market と Bear Market という言葉が使われますが、これは何を意味しているのでしょうか。
今回は、株式市場の動向を示す Bear MarketとBull Market について解説します。
Bull market と Bear market その意味は?
Bullは雄牛、Bearはクマで、どちらも強くて凶暴なイメージですが、
Bull marketは、強気の上げ相場を、
Bear marketは、弱気の下げ相場を
意味します。
決して、雄牛の方がクマより強いからというわけではなく、雄牛とクマの動作に由来していると言われています。
Bull marketとは
Bull marketとは、景気が良くて、強気の買い相場、上げ相場のことです。
Bullは、雄牛で、角を上に突き上げる動作をすることから、株価が上がる強気市場を表すようになりました。
ニューヨークシテイのマンハッタンにあるウォール街(Wall Street)は、 ニューヨーク証券取引所 を始め、世界の金融機関が集まっている世界経済の中心地です。
このウォール街に近いボウリング・グリーン( Bowling Green )の北、 ブロードウェイ(Broadway) には、有名なチャージング・ブル(Charging Bull)の像があります。 この チャージング・ブル (Charging Bull) は、別名ウォール・ストリート・ブル (Wall Street Bull)や ボウリング・グリーン・ブル(Bowling Green Bull)とも呼ばれ、ニューヨークの観光名所にもなっています。
Chargeとは、突進する、突撃する、という意味ですから、Charging Bullは突撃する雄牛、になります。
Charging Bullの銅像は、高さが3.4メートル、長さが4.9メートルもある堂々たる姿で、今にも角を突き上げて突進してくるような力強さを感じさせます。まさに、世界経済の中心地ニューヨークのウォール街 にふさわしいと言えるでしょう。
荒々しく角を突き上げようとするCharging Bullには、 アメリカの景気が良くなり、株価が上がるようにとにとの願いが込められています。

Bear marketとは
一方、Bear marketは、市場が弱気になっている下げ相場を言います。
クマが前足をふり下ろす動作から、株価の値下がりを表すというわけです。
なぜ下げ相場を象徴する動物がクマになったかについては、もう一つの説があります。
それは、16世紀のことわざ、
”Never sell the bear’s skin before one has killed the beast. ””
”クマをしとめる前にクマの毛皮を売ってはいけない”
に由来していると言われています。このことわざは、日本でいえば、
”とらぬ狸の皮算用”
と同じ意味です。
かつて、クマの毛皮を売りさばく仲買人は、まだ猟師からクマの毛皮を買う前に、客からの注文を取っていました。仲買人たちは、できるだけもうけを多く出すために、毛皮を安く仕入れて、高く売ろうとします。
この仲買人たちは、クマの毛皮で仕事をしているので、Bearskin Jobberと呼ばれていましたが、いつしか、それが短くなり”Bears”呼ばれるようになります。”Bears”たち仲買人は、いつもクマの毛皮の相場が下がることを願っていました。そこで、
Bear⇒⇒⇒価格が下がる⇒⇒⇒相場が下がる
という意味になったというわけです。
仲買人たちは、毛皮の値段が下がることを期待して売り値を決めますので、毛皮の相場が上がると、損をすることもあります。まさに、
Never sell the bear’s skin before one has killed the beast.
とらぬ狸の皮算用
ということですね。
これで、Bull marketとBear marketの由来が、動物の強さくらべではないことをお分かりいただけたでしょうか。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。少しでもお役に立てたらうれしいです。
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