Social distancing ―Alone, not lonely ひとりでも、ひとりぼっちじゃない

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コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、周囲の人と安全な距離を保つようにとSocial distancingの大切さが強調されています。
Social distancing ( ソーシャル・ディスタンシング )ー社会的距離を取ることが、飛沫感染の予防になることはまちがいありませんが、このSocialという言葉がどうも気になります。

というのは、距離を保たないといけないのは、身体的な距離であって、社会の中での結びつきではないからです。

Not emotional distancing but physical distancing

古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、
”Man is by nature a social animal.”
「人は生まれながらにして社会的動物だ、」
と言っています。

社会的、というのは、人と人との精神的なつながりをさして言ったものでしょう。
socialには社交的な、という意味があります。社交家をSocial butterflyと言いますが、こちらは、使い方によっては八方美人のような批判的なニュアンスをふくみますので、注意が必要です。

もともと健康な人でさえ、社会とのつながりがない孤独な生活をしていると、心にも体にも不調が起きてくるそうです。免疫力の低下や、うつ病、さらには心臓疾患のリスクも高くなるとのデータがあります。ましてや、世の中が不安になっているときは、いっそう、その傾向が強くなります。

いま必要なのは、身体的な距離を保つPhysical distancingであって、精神的に隔離されるEmotional distancingではありません。こんな時だからこそ、これまでにも増して、Social connectionが大切なはずです。

幸いにも、インターネットやスマホの普及で、離れていても人とのつながりを保つことが簡単にできるようになりました。

例えば、Zoomを使って、在宅学習中の生徒と顔を見ながら授業をしたり、自宅のリビングルームからミーティングに参加することが可能になりました。あまりにも便利で、とまどってしまうくらいです。
学校閉鎖中でも職員会議ができるのは便利なのですが、ミーティングが始まる1時間前に慌てて顔を洗って身支度を整える始末。Zoomのスクリーンに映った自分の姿は、美容院が閉鎖のため、生え際の白髪が真っ白でまるでスカンク。Zoomでズーン、と落ち込みました。
もちろん、ZoomでなくてもメールやSNS、Lineなどを使えば、ちがう大陸に住んでいる家族や友人とも瞬時にコミュニケーションがとれるようになり、ありがたい時代に感謝します。

テクノロジーが、Physical distance ( 身体的距離 )に関係なく、Emotional distance ( 精神的距離 )を縮めてくれたのです。

2メートルのSocial distancingをとっても、Emotional distancingには影響なし

Being alone と Being lonely はちがう

一方で、テクノロジーの発達につれて孤独でなくなったのかというと、一概には言えないようです。

皆さんは、一人でいるときに孤独感を感じたことはありますか?
では、大勢の人といるときに孤独感を感じたことは?
私も含め、両方にYesの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ひとりでいても、ひとりぼっちじゃない

誰だって、たまには一人の時間 は必要ですよね。よく”Me-time” ( 自分の時間 )とも言われます。
このMe-timeには、孤独な時間といったネガティブな意味はなく、むしろ、新たなエネルギーを生み出し、日々のストレスを和らげるためのぜいたくな時間を意味しています。特に、子育て中のお母さん方には、Me-timeは貴重です。

Me-timeにひとりになることと、孤独 ( loneliness ) とはちがいます。
Me-timeは、誰にも邪魔されずに、ひとりでいる時間が大切だから、望んでひとりになることに対し、lonelinessは社会から孤立したひとりぼっちの悲しみを指しているからです。
誰にも、大勢の中にいても孤独を感じることがあります。心のつながりがなければ、どんなにたくさんの人が周りにいても、孤独感を感じるでしょう。
ですから、ひとり暮らしだからと言って、精神的なつながりを保っていれば、孤独ではありません。家族、友人、同僚などだけでなく、すでに亡くなった人とのつながりも大きな支えになります。声を聞いたり、触れることができなくても、故人との大切な思い出が希望や勇気を与えてくれます。大切に思う人がいれば、距離も時間も関係ないのです。

Practice kindness and gratitude

Practice kindness and gratitude ― kindness は親切、gratitude は感謝、practice は動詞で、実行する、実践する、という意味です。
つまり、人には親切にして、感謝の気持ちを忘れないように、ということです。
でも、なぜこれが、Social distancingに関係があるのでしょうか。

Harvard Medical Schoolが出しているHarvard Health Publishing にこんな記述があります。

”Practicing more kindness and having gratitude toward others and toward ourselves is a great way to feel closer, rather than feel farther apart. Most likely, you already know this from life experience. ”
「自分自身や他人にもっと優しくし、感謝の気持ちを持つことは、人とのきずなをもっと身近に感じるための素晴らしい方法です。おそらく、皆さんはこのことを人生経験からすでにご存知でしょう。」
    【2020年3月17日 Harvard Health Publishing By John Sharp, MD】

何かいいことをした時や、誰かにありがとうと感謝した時に、私たちの心の中に社会との一体感が生まれます。人に親切にすると、された方だけでなく、自分までうれしくなりますが、その気持ちが一体感ですね。
Dr.Sharpは、また、外に出て太陽、森の木々、河や海’などの水を感じ、今現在、自分が生きていることを大自然に感謝することを勧めています。彼の言葉です。
”Be good to your precious self. There is no real need for loneliness. You are not alone.”
「大切な自分を大事にしなさい。孤独を感じる必要などありません。あなたは一人ではないのだから。」

かけがえのない家族、愚痴を言いあえる友人、何十年もご無沙汰している古い学友、若くして亡くなった幼なじみたちに感謝。ありがとう。

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