アメリカのパソコン教育 最前線
おさない頃からパソコンに親しむ
アメリカの学校では、キンダーガーテンから、パソコンの授業が充実しています。
私の勤務する小学校では、キンダーガーテンに入学すると同時に、一人ひとりにGoogleアカウントを作っていて、生徒たちは、コンピューターラボの時間にやったことをグーグルドライブ(Google Drive)に保存します。
5才児で?とびっくりされるかもしれませんが、それがアメリカでは当たり前です。
一年生以上は、ひとりに一台クロームブック(Chromebook)という小型のノートパソコンが用意されていて、自分たちで立ち上げてサインインし、あたえられた課題をこなします。リサーチが必要なときは、言われなくてもクロームブックを出して調べています。
2~3年生になると、グーグルスライド(Google Slide)や、グーグルドキュメント(Google Docs)を使いこなして、すばらしいプレゼンテーションを披露してくれます。
高学年では、課題の提出は、担任の先生のグーグルアカウントにシェアすることで、自宅からでも提出ができるようになっています。先生方も、宿題はオンラインで出すので、生徒たちにとっては、知らなかったとか、メモし忘れたとなどという言い訳は通用しません。
とにかく、小さい頃からマウスやタッチパッドを使いなれていて、大人顔負けのスキルには眼を見張るものがあります。
日本の子どものパソコン使用率は、世界最低
一方で、おそろしいことに、日本の子どもたちはパソコン離れが進んでおり、世界の流れに逆行しているのです。

経済協力開発機構(OECD)は、3年に一度、世界の15歳の生徒を対象に、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーなどの知識とその理解度をみる国際学力調査(PISA)を行っています。
その最新の結果(PISA2018)をみると、日本の子どもたちの将来を心配せずにはいられません。
なんと、日本の学校で子どもたちがパソコンを使う率は、メキシコ、ドミニカ、モロッコなどよりもさらに低く、世界で最低となっています。
これに危機感を感じないでいられますか?
まずは楽しくパソコンで遊ぶ
決して、パソコンを使う時間を増やすためにゲームばかりして遊んだほうがいいと勧めているのではありません。
ゲームといっても、学びながら、楽しく好奇心をかきたてるような無料の教育サイトはたくさんあります。
パソコンのスキルアップになるだけでなく、いつのまにか、英語や算数、思考力、問題解決力も身についてきます。

子どもにも安心 無料の教育サイト 初級編(英語です)
では、私がおすすめする、安全で役に立つ無料サイトを紹介します。
すべて、実際にアメリカの学校で使っているものなので、安全で楽しく学べるようにデザインされています。
子どもたちは、勉強しているとは気づかずに、知らずらずの間に英語のヒアリング力が上がってくるだけでなく、コンピュータースキルも身についてきます。
スターフォール (Starfall)
スターフォール(Starfall)は、保育園・幼稚園向けと1,2,3年生向けに分かれています。数字、アルファベット、季節の行事のアクティビティなどの幼児向けから、低学年向けの絵本の読み聞かせまで充実した内容です。
エイビーシーヤ!(ABCYa!)
エイビーシーヤ!(ABCYa!)は、Pre-Kと言われる年中さんから6年生までが楽しめるサイトです。
算数のゲームも充実しています。

トイシアター (Toy Theater)
トイシアター (Toy Theater)は、Math(算数 ), Read(本読み), Art(図工), Music(音楽 ), Puzzle(パズル),Game(ゲーム)の6つのカテゴリーに分かれています。Puzzle( パズル)では、迷路や数独、図形を使ったパズルもあります。
PBS キッズ (PBS Kids)
PBSは、 公共放送サービス(Public Broadcasting Service)で、日本のNHKのEテレのようなものです。有名な番組としては、日本でもおなじみの「セサミストリート」があります。この無料サイトPBS Kidsでは、人気の教育番組のキャラクターと一緒に遊びながら学ぶことができます。
ニックジュニア (Nick Jr.)
子ども向けのケーブルテレビチャンネル「ニコロデオン」が、幼児から大人まで楽しめるエンターテインメントチャンネルとしてニックジュニア(Nick Jr.)を始めました。
子どもが大好きなキャラクターが勢ぞろいです。
男の子も女の子も楽しく遊びながらコンピュータースキルが上達していきます。

マス プレイグラウンド (Math Playground )
マス プレイグラウンド ( Math Playground )は、1年生から6年生までの算数ゲームが500以上そろっています。
スースヴィル (Seussville)
アメリカで一番愛されている絵本作家のひとりドクター・スース(Dr.Seuss)の不思議な世界が広がります。Cat in a Hatやグリンチなどのキャラクターが登場します。
ワールドブックアーリーラーニング ( World Book Early Learning )
World Book Early Learningは、幼児向けのサイトで、ABCの書き方から、絵本の読み聞かせ、子どもたちの大好きなはたらく車などの短いビデオなどがもりだくさんで、子どもたちを飽きさせません。
英語に親しむ環境を
これらは、すべて英語のサイトです。ぜんぶ英語はちょっと…と思われるかもしれませんが、幼い子どもたちにとっては英語でも、意外とすんなりと入っていけるものです。
耳と目から英語に親しむ環境を用意してあげることが、ネイティブ並みのヒアリング力、スピーキング力を身につけるためには欠かせません。
毎日、少しずつやっていくと、かんたんなフレーズや英語の歌を耳から覚えるようになります。子どもたちのスポンジのような吸収力に驚かれること、まちがいなしです。
毎日15分で十分
ただ、長時間パソコンの画面を見続けるのはおすすめできません。特に小さいお子さんは、15分から長くても20分程度で十分です。大切なことは、短時間でも、できるだけ毎日続けることです。
ぜひ、お母様も一緒に遊んでみてください。くれぐれも、子どもだけをパソコンの前に座らせっぱなしにしないでください。
親子で、ちょっと気分転換に、英語のサイトを探検してみてはいかがでしょうか。
もう少しレベルの高いサイエンスや歴史、地理などの学習を英語でしてみたい方には、中級編の無料サイトをおすすめします。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。少しでもお役に立てたらうれしいです。
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